Angel Tears
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その日、リモージュは朝から気分がよかった。 空間の収縮が少し緩んだような感じがしていた。 せっかくだから、とロザリアに断って、アルカディアの街を 散歩する。 吹く風が爽やかで心地よい。 と。 ――あら…。 銀の髪に細身の長身の男。 辺りを見回す金と翠の瞳は、滞ることなく自分を通りすぎる。 少し考えるふうに首を傾げ、そうして宿の看板が出ている 建物へと入っていった。 ――ふぅん…。 リモージュはそのエメラルドの瞳を、今、男が消えた扉へと 向ける。 ――やっと迎えに来たのね。んもう、のんびりし過ぎ! この利子は高くつくんだからねっ。 そうしてリモージュは、上機嫌にアルカディアの街を歩いて いった。 <Fin> |
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