Angel Tears

6



  その日、リモージュは朝から気分がよかった。
 空間の収縮が少し緩んだような感じがしていた。
 せっかくだから、とロザリアに断って、アルカディアの街を
散歩する。
 吹く風が爽やかで心地よい。
 と。
 ――あら…。
 
 銀の髪に細身の長身の男。
 辺りを見回す金と翠の瞳は、滞ることなく自分を通りすぎる。
 少し考えるふうに首を傾げ、そうして宿の看板が出ている
建物へと入っていった。
 
 ――ふぅん…。
 リモージュはそのエメラルドの瞳を、今、男が消えた扉へと
向ける。
 ――やっと迎えに来たのね。んもう、のんびりし過ぎ!
この利子は高くつくんだからねっ。

 そうしてリモージュは、上機嫌にアルカディアの街を歩いて
いった。

<Fin>




天空でのあのエンディング。なんだか堪らないものがありました。
パーティは無いだろう…って。
でも、今になって描けそうになったので書いてみました。
私的な天空のエンディングです。

久路 知紅

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