気が付けば12月のクリスマス。恒例のパーティに参加しつつ
「はぁ、結局、ろくろくときめき会話が見れなかったな…」
と意気消沈しているプレーヤーに「お疲れ」のお言葉。
葉月に夜の海へと誘われました。
遠くの街の灯がぼんやり白くて、なんかいいよな…と、ぼぉっと海の向こうを見ていたら
葉月   「…そろそろだ」
プレーヤー「(なにが?)」
その一瞬後。
うわっ! すごい!! これはすごいぞ!!!
海に浮かんだ巨大なクリスマスツリーに目を奪われつつAボタン。

「ハハ…」

・・・・・・・・・・・・・・。
うわ〜〜〜〜〜〜〜。
それは反則だよぉぉぉぉぉ。


この笑い声一つに、葉月と過ごしたこの三年間が走馬灯のように駆け抜けました。


お正月を過ごし、瑞希ちゃんのWデートを成功させて。
そうして卒業式。
教会でステンドグラスを見上げていると、ドアが開いて
                 ――――葉月がやって来ました。

おお。やっとEDだ…と思ったところで2択出現。
ぎょえっ! 
まさか、『プログラム上ありえない選択肢』じゃねえだろうな。
そうしてエンディングスタッフロールに音楽が流れて、ホッと一安心。
やっぱりな〜、無音エンディングスタッフロールは驚くし、気持ち悪いし、後味悪いです>幻水3



こうやって、無事当初の目的
『なにがなんでもラブEDを迎えましょう』
を達成したのでした。


【感想】
まずはそのストーリーに驚きました。
恋愛シュミレーションであり、男を落すゲームの筈なのですが、私には『葉月珪 成長物語』のようにも思えました。
また、男性キャラが一列横並びではなく、太い幹として葉月珪を据えた上で、他のキャラとの恋愛も楽しめるところも新鮮でした。

気に入ったのはお着替えシステム。アクセサリーがもう一個ぐらいコーディネート出来れば、もっと楽しかったと思います。それから文中にも書きましたが、もう少し服装による好感度の変化にバリエーションがあればよかったと思います。
出費が1年目に集中しちゃうのが残念かも。

今回の大きな収穫は『声』について。
私は今までゲームに『声』はあまり意識していませんでしたが、この作品で『声』に感銘を受けました。
また、『表情』も新鮮でした。
喫茶店での会話と追加デートの会話は同じ内容なのですが、制服(正面)と私服の3パターンとでは、同じ会話でも表情が違って見えました。ただ顔の表情が違うだけなのに、こんなに印象が違うものかと、驚きました。
派手なムービーや3Dは、もちろん綺麗ではあるけれど、私にとっての味わい深さを感じるのには、あまり必要ないものと再確認しました。


【総括】
『物の出来、不出来は会社名やタイトル名ではない』

これが、ときめきメモリアルGSをクリアした今の率直な思いです。
コナミだから、ときメモだから、幻水だから。
そんな観点では物は測れない。

細やかな作りと登場キャラの味わい深い性格づけに支えられ、織りなされた物語『ときめきメモリアルGS』と、伏線も謎も放り出し、その辻褄合わせを登場キャラの安易な死で埋め合わせた「やっつけ仕事」を製品とした『幻想水滸伝3』と、同じコナミ社の商品とは思えません。

ゲームは中身が分からないブラックボックスであり、またその対価が『感動』や『感銘』といった『形在るもの』では無い以上、ある程度の揺れは仕方ないにしても、これほどの有意差が認められると考えざるを得ないと感じました。
もはや商品の品質は会社名、タイトル名では保証できない。
ならば、せめてパッケージ裏にメインのスタッフ名はユーザーへの情報公開として表示して欲しいと思う。

【謝辞】
ここまで長々とお付きあい下さりありがとうございました。
幻水1〜3未プレイの方にはよく分からない、偏ったプレイレポートであることは自覚しております。
いつものお笑いプレイレポートへと仕上げることも可能でしたが、ここは私のHPであることを考え、私自身の率直な想いを述べさせて頂きました。

最後に。
超強力に『ときめきメモリアルGS』を勧めて下さった、
某・北方の魔人様に感謝の意を表します。ありがとうございました。
(私信:あくまで『感謝』だけだよっ!)

2002/10/15久路 知紅

 
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素材:evergreen 様