テスト!
大好きなあの人に伝えたい。 宇宙で一番愛してる―――。
宇宙で一番
「ねえ、アリオス?」
栗色の髪の愛しい少女に呼ばれて、アリオスは立ち止まった。
「これ!」
アリオスの表情が、わずかに不機嫌になったのにも気づかず、アンジェリークは話を続ける。
「アリオスは、どうしてだと思う?」
立ち上がって、ようやくアリオスが不機嫌なのに気がついたアンジェリークは、彼の顔を覗き込んだ。
「アリオス?……どうしたの?」
ふいっと顔を背けてしまうアリオスを、アンジェリークは不思議そうに見つめる。
「アリオス?」
そう言うと、アリオスはアンジェリークを抱き寄せて軽く口付けをした。
「もう!ごまかされないんだから。私、アリオスのことならなんでもわかるのよ!!」
アリオスの瞳が、光を反射して煌めいた。
「第一問。俺がよくいる場所は?」
ちょっと複雑な表情を浮かべるアリオス。
「第二問。俺の趣味は?」
今度はアンジェリークが困る番だ。
「最後の問題だ。……俺の、一番好きなものは?」
眉間にしわを寄せながら、懸命に考えるアンジェリーク。
「残念。時間切れだ。答えはまたいつかだな。」
しばらく不満そうな顔をした後、アンジェリークはとっておきのいたずらを思いついたような笑顔でこう言った。
「アリオスばっかり問題出して、ずるいわ。私の問題にも答えて!」
言ってみろと先を促すアリオスに、アンジェリークは咳払いをひとつ。
「私が宇宙で一番好きなもの、な〜んだ?」
興味津々の表情で聞いてくるアンジェに、アリオスはきっぱり言い放った。
「アリオス〜!!!」
背を向けて、すたすたと歩いていってしまうアンジェリーク。
「わかってるって。お前の一番好きなものは宇宙だろ?なんてったって、女王だもんな。」
アリオスの言葉に、アンジェリークは足を止めた。
「へえ?じゃ、なんなんだ?」
どうやら先程のことがまだ尾を引いているようである。
「言えよ。」
耳元でそんなに優しくささやかれたら、抗えない。
「ア、アリオス!?」
ニヤリと笑ったアリオスに、ついにアンジェリークは敗北を宣言した。
「あのね……」
そして、アリオスの耳元でそっとささやかれた言葉。
『宇宙で一番貴方が好きです』 |
【久路知紅のコメント】 |
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背景素材:Salon de Ruby 様 |